開山忌(かいさんき)

毎年4月23日 開山忌 (毎年13:00より法要)
開山忌
開山忌とは山を開く、すなわちお寺を開くという意味で初代住職のことをいいます。今お寺があるのは開山さまのおかげです。そのご恩に対し感謝の思いをもって開山さまのご命日にお勤めをする。それが開山忌です。
大明寺では開山忌に開山さまのご供養と一緒に中興開山(大愚禅師)、開基(山名時煕公)のご供養もしています。
(参考 雲頂山大明寺の歴史と由来)
また、開山(月庵禅師)の云われ(月庵和尚と狼)により、開山御供さん、刺抜き御供さんを作り、開山にお供えをして供養しています。
お参りいただいた方には、開山御供さんをお持ち帰りいただいています。
開山御供さん(かいさんごくうさん)刺抜き御供さん(とげぬきごくうさん)
大明寺の開山、月庵和尚が黒川に入り石の上で坐禅をするようになった頃、黒川周辺の村々ではしばしば狼の被害にあっていた。
ある日、坐禅する月庵の傍に狼が寄ってきて棘となった骨を抜いてくれという。月庵はこれを抜いてやり、喜ぶ狼にこのまわりに這入って悪さをせぬよう諭した。以来、狼の害がなくなったという。
このような逸話があります。
それ以来、大明寺では、刺抜き御供さん、開山御供さんを作り、
月庵和尚の命日に合わせ、毎年4月23日に開山忌を行い、開山にお供えをして供養しています。
喉に骨が刺さったとき、この御供さんを飲むと不思議と骨が取れるとされています。
御供さんを数個、一つを二、三個に割り、少しお湯等でふやかし、お湯等で飲むと骨が取れると言われています。
そのため、御供さんを刺抜き御供さんとも呼ばれています。
遠い昔、医療も発達していない頃、喉に骨が刺さるということは、大変なことだったと思います。
日頃の健康を祈り、骨が刺さったときには仏様のお力、功徳を分けていただく、このようなことが行われていたのだと思います。
今日に至っても、自分自身の為、家族の為、先祖の為、仏様に手を合わせお祈りすることは続いています。
開山忌とは、開山のご供養をして、開山に日々の感謝をし、少し開山のお力、功徳を分けていただくことなのかもしれません。
開山御供さんを、開山の功徳をいただいた、一つのお守りとして、お家にお供えしていただければと思います。